連載モノの題名
亀井絵里さん18歳お誕生日おめでとうございます。
彼女には今、ミキティとともに、ぼくのブログで連載している物語に登場していただいています。
楽しいキャラと突き進むエネルギーが、物語に元気を与えてくれることを期待しています。
さて、これまで「連載中の物語」と言ってきましたモノですが、本日、これに題名をつけたいと思います。
題名がないと不便ですし、これまでも気にもなっていたのですが、実際のところエンディングまでたどりつけるか分からないという状態なので、今まで題名をつけずに来ました。
ここへ来て題名をつけるということは、もうしばらく、この連載を続けたいという思いの現れなんですが、、、
全然うまく書けそうにないのですが、もう少しだけ続けさせてください。
さて、その題名ですが、
「Curiosity BOX」
(キュリオースティ ボックス)
とします。
何度も言いますが、エンディングを迎えられるかもわからない代物です。
微力ですが、がんばりますので、よろしくお願いします。
それでは、さっそく
「Curiosity BOX」(略してキュリオ)
第3話をお届けします。
…
ことの発端は、ミキティにも大いに関わりがあった。
「また新製品、出てるよ」
「ああ。それハズレだよ。味が薄いもん」
「えっ、美貴ちゃん、もう食べたの?意外」
「意外って!…まあ、確かにイメージじゃないよ。キャラじゃないし。でもキャンディにはハマッてるかも」
深夜のコンビニ。
そこは、若者の社交場であり、時間がすれ違う恋人たちの手軽なデートスポットである。
そして年頃のアイドルにとっては、食欲を満たす楽しい場所であった。
「それってガムみたいに食べた後、捨てなくていいからでしょ」
「さすが、こんこん。当たり」
「それってエコ?」
「うん。それにメンドくさくなくていいし」
笑い合う二人だが、どこか周りの目を気にしている。
こんな時間でも、結構、客は多いものだ。
次々に出入りする客だけでなく、雑誌コーナーでは立ち読みをしてる男性もいる。
「いらっしゃいませ」
アルバイトの娘の間延びした声が、また、来店者があったことを知らせた。
二人は、楽しそうに棚から棚へと見て歩いている。
レジの娘が、さっきから3度目のあくびをしていることに紺野は気がついた。
普通の学生なら、もう眠くなる時間なのだろう。
「ありがとうございました」
このとき、まさに一瞬ではあったが、このコンビニの客が途切れた。
紺野とミキティはアイコンタクトをした。
このときを待っていたのである。
二人は売り場から扉一枚へだてた、スタッフルームへと転がり込んだ。
アルバイト店員の視線も見事に盗む、スピードだった。
物音ひとつ立てない、完璧な突入であった。
しっかりと閉められた扉の内側では、すでに二人の男性が待っていた。
「ゴメンなさい。こんな場所を指定しちゃって」
髪をわずかに直しながらミキティが一人の男性に言った。
もう一人はコンビニの制服を着ていたからだ。名札には店長と書いてある。
ミキティに話しかけられたほうの男はおそろしく痩せてはいたが、同時に貫禄も感じさせる、はっきり言えば年齢不詳の風貌をしていた。
「うむ。まさかアイドルに、警察へ来てくれって言うわけにもいかんからな」
「あなたとの約束通り、ここへ来ることはマネージャーさんにも言ってません」
「これはこれは、ご協力感謝するよ。連絡した警視庁の龍(ロン)だ。よろしく」
「お目にかかるのは初めてですね。モーニング娘。の藤本美貴です」
差し出された手を敢えて無視するように自己紹介を返した。正直、これまで顔を見せないこの男の交渉に好意は持てなかった。
「紺野あさ美です」
紺野があわてて頭を下げた。
二人をじろりと見る刑事の視線に、部外者であるはずのコンビニ店長までもがハラハラしていた。
「リーダーは確か、ヨシザワさんと聞いていたが」
「わたしがサブリーダーをやってます。今回のことは吉澤さんはご存じないです」
「なぜだ!お前たちの誰が狙われているかもわからんというのに」
「吉澤さんには、こんなことで動いてもらいたくないんです」
「わかっとらん。狙われてるといっても、これはストーカーなんかじゃないぞ」
「お話は何度も伺いましたから知ってます。でもこれは、こんこんとわたししか知らないんです」
「相手は顔見知りかも知れないと、何度も言っただろ」
二人の応酬が激しくなったのを紺野が遮った。
「それは…、今からビデオを見せてもらえればわかるんじゃないですか」
「そうとも言えん。店長、ビデオを頼む」
驚くほど短い間に冷静さを取り戻した刑事は、目の前の事務机の上に用意されていたモニターを指さした。
突然の指名に付け加えて慣れない機械操作に、店長は手間取った。
しばらくして、ようやく映像が映し出される。
「これは、ちょうど一週間前の午前1時54分に防犯カメラが捕らえた映像です」
「日本人は時間に正確で助かる」
刑事の言葉は本心なのか、単なる皮肉なのか区別がつかなかった。
「わたし、覚えてます。6期のみんなと一緒に来たんです」
この紺野の言葉を刑事はメモした。
「ここに映ってるのはお前も含めて4人だが、他にはいなかったのか」
「いいえ。わたしと亀井絵里ちゃん、道重さゆみちゃん、田中れいなちゃん、それから麻琴も外にいました」
「マコト?」
「小川麻琴ちゃん。わたしと同じ5期メンバーです」
つづけ…