リボンの騎士・ザ・ミュージカル

2006.8.18


ほとんどネタバレなしで観た「リボンの騎士
素直に感動でした。
昨日は、ののが牢番ピエール役で出演していました。




ののが演じた牢番ピエールは、ヘケートと並ぶくらい、いい役ですね。
ヘケートはラストに、これ以上ないくらいの見せ場が来ますが、ピエールの行動も涙を誘います。
マルシアさん演じる后に「そのためにどれくらいの人を殺してきたんだ!!!」と迫るピエール。
弟や妹を抱えたピエールが、それまでどんな人生を歩んできたのかが、かいま見えるセリフです。
ヘケートもピエールも、それまで愛には縁が薄かったがゆえに世間を斜めに見てきた二人が、現実と向き合ったときに取る行動は、観ている者の胸を打ちます。


「ケガの具合はどうだ?」
と松葉杖をついて演じるのの には、不自然さが取り除かれるセリフが登場シーンから用意されていました。
さすがに動きは限られていましたが、あの状態で雰囲気を壊さずに演じることが、どれだけ難しいことか。
それだけの期待を込められて、彼女はこの舞台に上がってきたのです。


物語が終わり、フィナーレで「恋ING」を歌う彼女の手には松葉杖はありませんでした。
「えっ?ええっ、まさか」
と思っているぼくらの目の前で、ゆっくりでしたが自分の足でよろめくことなく舞台の上を歩きながら歌っている、まさにその姿に、思わず姿勢を正して注目してしまい、同時に力強く手拍子を送る自分がありましたね。
全治3週間と言ってたから、治りかけているのかも知れません。
牢番ピエール役になりきったこの公演を終えた後、舞台を去る時には、はじけるようなスマイルを見せた のの。

この公演を見に来てよかったと、うれしく思いました。
ケガの具合が心配で、この日は精一杯の熱い視線を送るつもりの自分が、逆に、またのの のこんな姿から励まされました。