キュリオ第4話


しばらくぶりのキュリオです。。。





言いかけた紺野を刑事が遮った。
「いま映ったのがそうだ」


まさか…。


「冗談でしょ?!」
思わずミキティが口にした。
刑事が指しているのは、せいぜい10代後半のオンナノコだった。
「なんだ?知り合いか?」
「わかりませんよ。こんな映像じゃ」
そう言いつつもミキティは、画面から目が離せなくなった。
顔はよく見えないが、間違いなく、6期メンバーと紺野の様子を伺っているようだった。
「ロン刑事!」
そのとき、突然、呼びかけた紺野に店長も含めた3人が驚いた。
「…なんだ?何か、わかったか」
「…いえ。えーっと…あのー…」
口ごもった紺野を見て、ミキティがその先を受けた。
「この人、知り合いじゃありません」
まだ、少し見ただけにしては、おかしな言葉だったであろうが、刑事の反応は意外なほど、あっさりしていた。
「そうか…」
「もう帰っていいですか?」
ミキティの問いに刑事はチラッと時計を見た。時刻は3時前だった。
「…あ、ああ。手間を取らせたな。店長も、もういいぞ」
仕事に戻る店長の後に続くようにして立ち去ろうとする刑事を、ミキティが呼び止めた。
「ロン刑事!」
「…え?…何か用か?」
「いえ、何でもありません」
「…ああ、そうだ。今日のことは、ヨシザワさんには報告するのか?」
「いいえ」
「そうか。じゃあ、送っていこう」
「結構です。自分たちで帰れますから」
ずいぶん挑戦的な応じ方だったが、眉一つ動かさずに刑事は去って行った。
「嫌な感じ!」
「美貴ちゃん、ありがとう。でも、よかった。すぐに終わって」
「というより、…あっさりし過ぎだと思うけど」
「何、どうかした?美貴ちゃん」
「ん…」
少しの間、黙っていたミキティは紺野にこう言った。
「こんこんさあ…この後、時間ある?」
「大丈夫、だけど…」
「やっぱ、気になる。ゴメン、ついてきて」
「え?どこ行くの」
「今の人の跡をつけるの!」
「跡をつけるって?」
「尾行するのよ。わたしのカンが合ってたらだけど、あの人…ロンっていうの、偽名だと思う。刑事かどうかも怪しいわ」


つづけ